コープのあるまちで vol.10/ラジオ関西開局当初使用されていたマイク

普段やっていることが
いざというときに役に立ちます

三上 公也さん

ラジオ関西のパーソナリティー。担当番組『三上公也の朝は恋人』の「コープ・スコープ!」のコーナーでコープこうべの職員などから話を聞きくらしに役立つ情報を発信している。

1995年の阪神・淡路大震災によって、当時は須磨にあったラジオ関西の社屋も全壊しました。5時46分の地震発生時に、一時放送が中断しましたが、6時には再開。倒壊の恐れがある中を69時間、報道し続けました。

被災地の内外に向けて発信したのは「被害の模様」と「安否情報」。被災地の中にある報道機関として、被害の模様は現地を歩き、被災者目線で、ありのままを伝えました。普段はリクエストを受け付けていた電話に寄せられた情報は、2万件以上。安否だけでなく、困っていることなど、リアルな生の声が集まりました。

ラジオ関西社屋内の被災状況

被災地をまわり、さまざまな声を集める

災害時に情報を得る手段として、ラジオは大変有効です。電池式であれば、停電時でも使用でき、地域に即した情報をタイムリーに得ることができます。いざというときに慌ててラジオを出すのではなく、「普段使い」をしていてほしいですね。

災害が起きたときには、いち早く情報を提供する「報道」に携わる身として意識しているのは、家族が違う場所にいるときのこと。今は多くの人がスマホを持ち、SNSなど連絡する手段も多くあります。しかし、それらが使えないときでも安否の確認ができて、再会ができるよう家族でシミュレーションし、共有しています。「家族が無事でいてくれている」という安心感があるからこそ、責務を全うできると思っています。

コープこうべとは灘神戸生活協同組合時代からのお付き合い。当時から「食の安全」や「環境」に対する取り組みを、時代に先駆けてやっていましたね。ほかの多くの一般的なスーパーなどでも、それが当たり前になった今、改めて問われているのが、生協らしさ。それは、コミュニティーであり、「つながり」「見守り」「助け合い」といった取り組みからくる安心感だと思います。これも大切なのは「普段使い」をすることですね。

ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』
周波数:AM558kHz / FM91.1kHz
放送時間:月曜日~木曜日7時~10時
「コープ・スコープ!」はおおむね8時45分~8時52分

取材を終えて

激震地をひたすら歩き、発信された体験談は重みがあり、大変勉強になりました。最後に、「『きょうどう』らしさ、組合員ライターらしさを大切にしてね」との言葉をいただき、身の引き締まる思いがしました。

(組合員ライター 小西 玲奈)

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