コープのあるまちで vol.9/賀川記念館には、賀川豊彦の著書など多くの資料を所蔵しています

助け合って生きる
愛と協同の精神を受け継いで

西 義人さん

賀川記念館顧問
賀川豊彦が実践してきたさまざまな事業や協同組合のあるべき姿などについて講演活動も行っている。

コープこうべの創立に重要な役割を果たし、「生協の父」と言われた賀川豊彦。学生時代にキリスト教に入信し、21歳のときに神戸の貧しい人たちが住む地域に移り住み、救済活動に励みました。その後、社会の仕組みづくりを学ぶためアメリカに留学。帰国後は、労働運動や農民運動などの先頭に立ちました。また、死者・行方不明者が10万人を超えた関東大震災では、発生翌日に行動を開始し、義援金を集め、診療所の設置や妊婦の保護などの救護活動を行いました。

賀川豊彦

神戸の貧しい人たちが住む地域で
子どもたちと

関東大震災のとき救援活動の
本拠となった本所(東京)のテントで

社会活動だけにはとどまらず、自身の生きざまをモデルにした著書『死線を越えて』は、多くの言語に翻訳され、ノーベル文学賞の候補に。また世界平和運動をリードしたことで同平和賞の候補になるほど高く評価されました。

近年、賀川豊彦の活動が見直され、神戸市の小学4年生が授業で学んでいます。さらに学習を深めるために賀川記念館に見学に来られたり、私たちが学校に出向いて話をするなどの協力をしています。「私たちの住む神戸にこんな歴史があったなんて」「自分にも何かできることはないだろうか」など、子どもたちの感想文を読むと胸が熱くなりますね。

小学4年生の授業について話す西さん

賀川豊彦の「愛と協同」の精神は、コープこうべの組合員にも受け継がれています。その代表と言えるのが、ボランティアサークルではないでしょうか。コープサークルは小さい規模から大きいものまでたくさんあり、それぞれが考え、出来ることを継続して活動されています。どんな立場の人もお互い助け合って生きていきたいですね。

「愛と協同」の精神を受け継ぐ、
さまざまなボランティア活動

子どもたちに童話を話す賀川

「賀川記念館」は、賀川豊彦とその仲間たちの功績を伝えるミュージアム。
カフェ、幼児園、学童保育などを併設したコミュニティーセンターです。

社会福祉法人イエス団 賀川記念館
神戸市中央区吾妻通5-5-20
078-221-3627
開館:10時~17時(入館16時半まで)
休館:月曜日(年末年始など休館の場合あり)
https://core100.net

取材を終えて

貧しい人や生活に困っている人に寄り添い、世界を駆け巡って活動された賀川さん。神戸市以外の小学校の授業でも、学べたらいいなと思います。

(組合員ライター 髙野 充子)

ページの先頭へ