コープのあるまちで vol.4/撮影場所:地震の被災地、イラン南東部バム

世界で出会った
一人ひとりを応援したい

桑山 紀彦さん

心療内科医。NPO法人「地球のステージ」代表理事。紛争地・被災地で医療支援活動や子どもたちの心のケアの活動も行っている。日々の診療のかたわら、全国各地でステージに立つ。

『地球のステージ』は、私が医師として世界各地の紛争地域や被災地を巡り、出会った人や風景を大画面の映像とオリジナルの音楽で表現するライブステージです。コープこうべで上演を始めて17年になりました。
私が『地球のステージ』を始めたきっかけは、世界のさまざまな地で出会った人々のことを知ってほしいと思ったから。ミャンマーの山村で子どもたちに学校教育を受けさせるために奔走する女性や、紛争地で医療を続ける医師。また、東日本大震災で息子を失った悲しみを受け入れ、生きることを説き続ける宮城県の女性。地球という大きな視点より、 名前を持った一人ひとりを応援したい。人と人とのつながりを途切れさせたくない思いで、活動を続けています。

東ティモールにて

コープこうべは、組織として事業をしながら社会貢献活動を続けているところが素晴らしいなと思います。ボランティアだけで続けるのは難しい、まさに持続可能な活動なのです。
近年の社会状況で私が気になっているのは、人に対して寛容な気持ちが薄れていること。“コロナ禍”が影響しているのかもしれませんが、自分と他人との生きざまの違いを受け入れられない人が増えているように思います。すぐ排除するのではなく、一つの出来事をいろいろな角度から見るのはとても大切。必要なのは「共感」です。

空爆直後のガザにて

コープこうべで上演するときに感じるのは、組合員皆さんの心が“開いている”ということ。ステージは演者が一方的に発信するものと思われるかもしれません。けれど、ステージ上に伝わってくる空気の震えのようなものがあり、「観覧席で共感してくれているなあ」と感じるのです。開いた心(オープンマインド)を持つ皆さんと、ぜひこれからも『地球のステージ』を通してつながっていきたいと思っています。

『地球のステージ』の動画は下記URLよりご覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UConJdxg5p0-wclnVhML5Cfg

取材を終えて

ウイルスが広がりステージが制限される中、桑山さんはインターネットでも番組を配信されています。世界に目を向け、「知る」ことで応援したいです。

(組合員ライター 和田晃子)

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